ソフトバンク今宮健太内野手(26)が、球界NO・1遊撃手を目指し、山下大輔(元大洋)が持つ8年連続ゴールデングラブ賞の記録更新に照準を定めた。

 「もちろん、来年もゴールデングラブ賞を取るつもりです。ショートのポジションで連続受賞は山下さんの8年だと思うので、それを超えたい」

 今季も含め5年連続受賞。パ・リーグでは、72年~78年まで7年連続受賞した大橋穣(元阪急)が最多だが、目標は高い。今年も堅実な守備で日本一奪還の原動力となった。7失策はリーグ最少。日本シリーズでも三塁側スタンドに倒れ込みながら邪飛を捕球するなど、好プレーを連発した。

 守備の要として責任感は募るばかりだ。入団時から指導を受けた鳥越守備走塁コーチが今季限りで退団。同一リーグのロッテに移籍する。まさに「師匠」だったが、来季から「独り立ち」しなければならない。「だから、自分次第ということですよね」。二人三脚で歩んできた成長曲線を鈍化させるわけにはいかない。

 宮崎秋季キャンプでは柳田、中村晃ら主力メンバーとともに、午前中で練習免除となっている。もちろん守備だけでなく、課題の打撃面でのスケールアップも目指す。「打撃は打率2割7分から徐々に上がっていくようにしたい」。今季の打率2割6分4厘、14本塁打、64打点は自己ベスト。来季は全部門でキャリアハイを更新するつもりだ。「ベストナインも目標にしていますし、打撃も上昇させたい」。不動のショートストップが熱い視線を来季に向けている。【佐竹英治】

 ▼ゴールデングラブ賞の同一ポジションでの最多連続受賞は、福本(阪急)が72~83年に外野手で達成した12年連続。セ・リーグでは山本浩(広島)がやはり外野手で72~81年に10年連続で受賞。遊撃手では山下(大洋)の8年連続、パでは大橋(阪急)の7年連続が最高。宮本(ヤクルト)は遊撃で5年連続(計6度)、三塁手でも09~12年に4年連続で受賞している。