中日は9日、日本ハムからFA宣言していた大野奨太捕手(30)と入団合意に達したことを発表した。大野は名古屋市内のホテルで森監督、西山球団代表、松永編成部長らと交渉し、最終的に移籍の意思を固めた。「高く評価していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。新しく挑戦するというかたちで前を向いていけると思う。ドラゴンズのために精いっぱい頑張りたい」と球団を通じてコメント。近日中に入団会見を行う。

 今オフ、捕手補強は重点ポイントだった。谷繁の引退後の正捕手が定まらず、今季も扇の要が不在。相手投手の左右や、先発との相性によって松井雅、杉山、木下拓、武山の4人の捕手を使い分けた。目標としているバッテリーを中心とした野球ができず、5位に終わった。

 当初から中日は、隣県の岐阜出身でもある大野との獲得交渉を最優先にしてきた。狙い通り昨年の日本一捕手を獲得して、指揮官は「課題である捕手のポジションを充実できたことをうれしく思う。まずはチーム内の競争をしっかり勝ち抜いてほしい」と期待。5年連続Bクラスからの脱出へ、必要なピースが1つ埋まった。【宮崎えり子】