巨人の菅野智之投手(28)が来年3月30日阪神戦(東京ドーム)で開幕投手を務めることが内定した。11日、神奈川県内の東海大医学部付属病院を宮国と訪問。高橋監督が全幅の信頼を置くエースは、2年ぶり4度目の大役を完封勝利で飾ると意気込んだ。96年斎藤雅樹以来となる伝統の一戦での完封で、4年ぶりのリーグ制覇へ、最高のスタートを切る決意だ。

 目の色が変わった。菅野は4年連続の病院訪問の後、高橋監督から開幕投手を託されたと明かした。

 菅野 監督から「お前が行きたいならいけばいいし。全部お前に任せてる」と言っていただいた。今年はお前が中心だ、というチームの決意の表れに、僕は応えないといけない。

 今季はWBCの影響で開幕投手をマイコラスに譲った。WBC準決勝米国戦から中8日の強行軍を承知で志願したが、高橋監督からストップをかけられた。「開幕のマウンドに上がった人しか分からない。あの空気というのは何にも代えられないし、自分にとって特別な場所」と、まっさらなマウンドに強い思いがある。最多勝と最優秀防御率を獲得し、初めて沢村賞に選ばれたが、チームの船出に立ち会えなかった悔しさもある。「3年、優勝を逃しているので来年も厳しいスタートになる。そこは絶対に落とせない」と、言葉には自然と力がこもった。

 「こっちとしては文句ない。何もなければ彼が投げることが自然」と全幅の信頼を置く高橋監督の信頼に応えるべく、圧倒的な投球を見せたい。過去開幕戦は3戦3勝もいずれも7回で降板した。「(開幕戦で)3回完封した斎藤コーチに肩を並べることが1番の目標」。宿敵阪神との開幕戦で球団では96年斎藤雅樹以来の完封を狙う。「阪神戦は盛り上がると思うので3タテでチームを波に乗せたい」。船頭として虎を退治し、覇権奪回への荒波に立ち向かう。【桑原幹久】

 ◆巨人開幕投手メモ 過去に巨人投手の開幕戦完封勝ちは9人、13度。94~96年に3年連続で記録した斎藤雅が最後で、沢村2度、藤本英2度、斎藤雅3度の3人が複数回マーク。阪神戦で完封したのは96年に1安打、7奪三振で準完全試合を達成した斎藤雅だけ。