阪神新外国人ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国ハンファ)が、タテジマ入団をフライング発表した。13日未明にツイッターで阪神のユニホーム姿の写真をアップ。「日本が私の新しい家になる」と虎の一員になることを喜んだ。球団発表はその11時間後の13日午後2時だったが、勇み足はやる気の表れか。現在もドミニカ共和国のウインターリーグで実戦に励む「Vの使者」の来日が待ち遠しい。

 こんな勇み足は大歓迎だ。ロサリオが球団の発表を待ち切れなかった。日本時間13日の深夜3時ごろ。母国ドミニカ共和国から、自身のツイッターを更新した。「神様に感謝している。プレーする機会を与えてもらった阪神タイガースにも感謝。日本が新しい家になる!」。タテジマに袖を通した写真も一緒にアップ。交渉役の三宅球団本部部長国際スカウト担当とガッチリ握手を交わしていた。

 そこから11時間後の午後2時に阪神が獲得を発表。球団を通じて正式に、熱いタテジマ第一声を発した。

 ロサリオ タイガースの監督、コーチ、スタッフの皆さんとタイガースの一員になれたことを誇りに思います。韓国にいる日本人のコーチやスタッフに、日本のことをいろいろと聞いて、興味を持っていましたので、来季から日本でプレーすることにとてもワクワクしています。KBO(韓国球界)での成績が評価され、日本での新しいチャレンジをつかむことができました。KBOでの経験を糧に自信をもってプレーしたいと思います。

 日米韓による大争奪戦を制し、韓国ハンファで2年連続3割30発100打点マークした主砲の獲得に成功した。阪神以外にも、国内他球団やメジャーの複数球団が関心を示していたという。さらにハンファも残留を願い、好条件を提示してきた模様だ。そんな状況で、阪神の条件と熱意がロサリオに届いた。実際に韓国で何度も視察した嶌村球団副本部長は言う。「2年間、見させてもらったのは事実。ハッスルプレーヤーだ。広角に打てるし、大きいのも飛ばす。いい選手であるのは間違いない」。チームが最も必要としている4番の柱にふさわしいスラッガーだった。

 母国ドミニカ共和国で現在参加中のウインターリーグで引き続きプレーする可能性がある。陽気なラテン系は、勤勉さも秘めている。アジアの野球を経験済みなのも好材料だ。ヘイグ、キャンベル、ロジャース…。外国人野手の補強は2年連続で不発に終わった。ロサリオが嫌な過去を払拭(ふっしょく)すれば、13年ぶりのリーグ制覇が見えてくる。【田口真一郎】