菊池が最多勝と防御率の2冠に輝いた。西武でこの2部門が1位は83年東尾以来になる。昨年の投球回数は規定ぎりぎりの143回だったが、今季はリーグ最多の187回2/3を投げた。今季のパ・リーグで一番投げて、一番勝って、一番抑えたのが菊池だ。リーグ最多投球回で最多勝と防御率の2冠は10年前田健(広島)以来、7年ぶり。パ・リーグでは08年岩隈(楽天)以来8人、10度目だった。

パ・リーグ最多投球回で最多勝と防御率の2冠を獲得した投手
パ・リーグ最多投球回で最多勝と防御率の2冠を獲得した投手

 タイトルを獲得した今季もソフトバンクには勝てなかった。今季のソフトバンク戦は4戦4敗、防御率7・97で、同カードはプロ通算17試合に登板して0勝12敗。同一カードの連敗記録には55~59年大石(大洋)の巨人戦17連敗があるが、デビューから白星なしの12連敗は50~52年関根(近鉄)の毎日戦、56~59年橋本(広島)の巨人戦11連敗を抜くプロ野球ワースト記録だ。関根と橋本は11連敗時に他カードも負け越していたが、菊池は12連敗した8月24日時点の他カードが55勝30敗。ソフトバンク戦だけ勝てないのが不思議で仕方がない。仮に、ソフトバンク戦に投げていなければ今季の成績は16勝2敗、防御率1・24で、勝率を加えた3冠に。防御率は56年稲尾(西鉄)の1・06に次いでパ・リーグ歴代2位の記録になっていた。

菊池のソフトバンク戦と楽天戦
菊池のソフトバンク戦と楽天戦

 ソフトバンク戦と対照的なのが楽天戦。こちらは今季8戦8勝で防御率0・82。同一カードでシーズン8勝以上は13年日本ハム戦の田中(楽天=8勝0敗)以来だ。通算では17勝4敗となり、昨年5月25日から11連勝。同一カードの2桁連勝と2桁連敗を記録した例は、最近では三浦(横浜)の97~00年阪神戦10連勝、06~10年巨人戦10連敗があるが、菊池はともに継続中。同時期に同一カードの2桁連勝と2桁連敗は、プロ野球史上初の珍記録だ。【伊藤友一】

デビューからの同一カード連敗記録
デビューからの同一カード連敗記録

 ▼西武は4年ぶりAクラスに入った。リーグ1位のチーム打率2割6分4厘を記録した西武打線だが、満塁では低打率。中村が10打数0安打、源田が12打数1安打など、満塁は118打数28安打の打率2割3分7厘。満塁での打率は13年から.319→.290→.267→.260→.237と下がり続け、今季はリーグ最低だった。逆に、投手陣は満塁でよく打たれた。満塁での被打率が3割7分3厘で、こちらは今季両リーグワースト。50回以上投げた10人のうち、満塁での被打率が3割未満は2割2分2厘の菊池しかいなかった。

西武全成績【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多
西武全成績【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多
西武全成績【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多
西武全成績【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多