中日石垣雅海内野手(19)が12日、母校の山形・酒田南高の室内練習場で行っている自主トレを公開した。入団1年目からウエスタン・リーグで60試合に出場し、打率1割9分7厘、3本塁打の成績を残した。10月4日のDeNA戦では「7番三塁」で1軍初先発を経験するも、3打席3三振に終わった。2年目の今季は小さくまとまらず、持ち味である本塁打、長打率にこだわり、右の和製大砲としてわが道を進む。

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 雪深い母校・酒田南高の室内練習場。年末年始に帰省していた石垣は、鬼気迫る表情で黙々とバットを振り抜いていた。

 石垣 自分は打てないと話にならない。今季は本塁打と長打率にこだわりたい。打率にこだわると、普通の選手になる。

 昨年10月4日、DeNAとの1軍デビュー戦。日本シリーズでも好投する浜口に、手も足も出ずに3打席3三振に終わった。「チェンジアップにはびっくりした。1度球が上がって落ちてくる。あんな球見たことない」と驚きつつも、出場した1度きりの1軍戦で確信もつかんでいた。「観客がいっぱい入って、ワクワクした。やっぱりプロ野球選手は、あそこの場所でプレーしないといけない」。球史に残る王貞治氏や野村克也氏も初打席で三振し、長嶋茂雄氏は4打席4三振デビューだった。偉人たちと同じスタートではある。

 課題は明白だ。直球にはめっぽう強いが、変化球の対応には苦労している。「直球を待っての変化球には変わらないけど、プロは落ちる球でもストライクを取ってくる」。オフの11月にはアジアウインターベースボールリーグのウエスタン選抜に選ばれ、台湾で武者修行を行った。勝負強い打撃で4番も任されたが「座ったとたん、12タコぐらいした。まだ4番は早かったすね」と頭をかいた。

 自慢の長打力に加え、中日入団が決まってからは「1発ギャグ」をかます男として、周知されている。今年も自慢の1発を用意していた。

 石垣 今年はいぬ年なので、ワンステップした後に、ワンクッション置いて? 最後はワンダフルなホームランを打ちたいですね。

 2年目の今年は初安打、初本塁打に期待がかかる。お立ち台に上がれば「石垣ワールド」が広がる。右の和製大砲から、目が離せない。【高橋洋平】