父からの贈り物で1軍を勝ち取る。巨人ドラフト6位若林晃弘内野手(24=JX-ENEOS)が13日、川崎市内のジャイアンツ球場で行われた新人合同自主トレに参加。持久力測定などで好成績を残し、1軍キャンプへアピールした。

 電子音とともに加速した。音に合わせて20メートルの往復走をして持久力を測定する「Yo-Yoテスト」。2組目に登場した若林は周囲の新人が脱落する中、最後まで走り抜いた。「キツくてもスイッチが入っちゃう」と全体3位の2520メートルを記録。支配下の新人では堂々の1位となり「負けず嫌いですけど、まずは自分。自分に負けたくなかった」と喜んだ。

 オヤジの教えが生きた。元大洋の父憲一さん(64)から「手を大きく振れ、目と頭の位置を変えるな、ストライドを大きくしろ」と幼少時から指導を受け、走る形が定着。歩幅を広くすることで「前に推進力が出る。体に軸ができて目線もぶれない。野球に生きています」と走力の向上につながっていた。視力などを計測するビジョントレーニングでは動体視力がトップクラス。眼力も強かった。

 お守りも心を支える。入寮時に持ち込んだのがベーブ・ルースの写真立てと大洋に在籍したクリート・ボイヤーのサインボール。ボイヤーの逸品は約20年前に父憲一さんが米国をドライブしていた際にお宝グッズのイベントに出合い、偶然発見。父が大洋でともにプレーした恩師の記念球を社会人時代に受け継ぎ、プロでも変わらずに部屋に置いた。「験担ぎというか、やれることは全部やりたい」と神様としてあがめ、御利益を受けたいと願う。

 近日中には首脳陣視察やスタッフ会議が行われ、キャンプの振り分けが決まる。「動きでアピールしたい。やるからには上のレベルを目指す。父より有名選手になりたい」と意気込む。目指すは1軍。父を超える挑戦が始まる。【島根純】