場外バトルで早くも駆け引き!? 広島新井貴浩内野手(40)が18日、阪神能見篤史投手(38)に“けん制球”を投げつけた。昨年のオフにも能見から宣戦布告されるなど注目のベテラン対決。シーズンは新井いわく「緩い真っすぐ」で6打数1安打に抑えられたこともあり、「今年はそのボール1本にしぼって打ってやる」と闘志を燃やした。チームの精神的支柱は挑戦者魂で3連覇に導く。

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 新井が阪神サウスポー能見を早くも“挑発”した。「去年は6の1だっけ? 新しいボールでやられたよ。チェンジアップでもフォークでもない、抜けたような球。緩い真っすぐだ。125、126キロかな。今年はその球一本にしぼって打ってやるから」。本気なのか、駆け引きなのか。真意は本人の胸の中にあるが、注目されるベテラン対決の号砲を早くも鳴らした。

 伏線がある。阪神から広島復帰1年目の15年は22打数7安打。MVPに輝いた16年も15打数7安打、2本塁打と打ち込んできた。そのオフには能見から宣戦布告され「今年は打たせませんよ」と書かれた年賀状が届いた。そして、結果的に6打数1安打。4四球と出塁率こそ高かったが、新井の中では抑えられた印象がある。阪神先発ローテの一角である能見を攻略すれば、4年連続カード勝ち越しにもつながってくる。

 この正月も能見から年賀状が届いた。「今年は優勝させませんよ」との内容が書かれていたという。先日には糸井が「何とか広島を倒して、てっぺん目指して頑張りたい」と話すなど、2連覇中のカープ包囲網は当然ながら厳しさを見せる。新井は突破するために、横綱相撲ではいけないとチームに警鐘を鳴らす。

 「またチャレンジャー精神を持ってやらないといけない。がっちり受けて、投げるような内容ではいけない。自分たちも挑戦者。向かっていく気持ちでね」

 一体感があり、バランスの取れた王者に油断はない。今月30日に41歳となる新井は、マツダスタジアム隣接の室内練習場での合同自主トレに参加。フリー打撃では快音を響かせた。「キャンプは最初から全力でいけるように入る」と初日からのフルスロットルを宣言。能見撃ちはもちろん、大きな背中でチームをけん引する。【大池和幸】