ミスターダブルが本領を発揮した。シート打撃でロッテのドラフト4位、菅野剛士外野手(24=日立製作所)は1ボールからの2球目、高めの直球を強振した。相手は12年新人王、13年セーブ王の益田。「1球見て強いボールだと感じたので、大きくじゃなくコンパクトに振ろうと決めました」。打球が右中間へ落ちる間に二塁へ到達した。

 次の打席も元守護神の西野から一、二塁間を破る右前打。2日間で4打数3安打に、井口監督から「一番振れてるんじゃないですか」と、べた褒めされた。171センチと小柄ながら、回転軸で広角へ強い打球を飛ばす。新人離れした存在感で角中、荻野、清田、加藤らとの外野の開幕スタメン争いに食い込みそうだ。

 明大時代は東京6大学新の28二塁打を樹立。プロでも2日のシート打撃から早くも2本目の二塁打をマークした。だが走塁改革を進める井口ロッテの要求はそれで終わらない。「コーチ陣から三塁まで行けと指示されました。次の機会は三塁打にしたい」。この時期、チャレンジしての走塁死はOK。ミスターダブルはプロの世界で、ミスタートリプルへの“進化”を遂げる。【鎌田良美】