楽天の先発ローテーション争いが今、熱い! 今季、中継ぎから先発に転向する2年目の菅原秀投手(23)が7日、沖縄・久米島キャンプで100球を投げ込み猛アピールした。梨田昌孝監督(64)は前日6日に則本昂大投手(27)の開幕投手を発表。美馬学投手(31)岸孝之投手(33)で形成される3本柱に続く4番手以降の競争が激しい。菅原はバク転、バック宙を軽々こなすほどの高い身体能力を誇る。生命線の躍動感を武器に、先発争いに殴り込む。

 ほとばしる熱気が違った。菅原は183センチ、78キロのすらりとした体を目いっぱい使った。右腕を豪快に振って、ブルペン捕手のミット目がけて思い切り投げ込んだ。

 菅原 先発を意識してキャンプでは毎日ブルペンに入っている。自分は躍動感が命なんで。

 今年は昨年の好調だった豪快なフォームに戻して、先発の座に食い込む。昨年は中継ぎで開幕1軍入り。前半戦の快進撃に貢献するも、後半戦は不調に陥った。9、10月頃には心機一転、素直な投げ方に変えてみたが「逆にスコンスコン打たれた」。本来は右腕を振って投げ込む最速155キロの直球が持ち味。2種類のスライダー、新球チェンジアップに、決め球でもカウント球でも使えるナックルカーブを自在に操る。

 身体能力が高いからこそ、躍動感があふれ出る。バク転や、バック宙を軽々こなせる運動神経が自慢だ。「肩甲骨の柔らかさや、体の柔軟性は両親からもらったもの」。出身の大阪・吹田市はサッカーG大阪のお膝元で、菅原も小学校時代はサッカー少年だった。「Jリーガーを目指せるぐらいの実力はあった」と当時を回想する。股関節の故障を機に中学から野球を始めても、プロの狭き門を突破するほど、高い身体能力を誇る。

 昨年は5月4日に救援登板し、わずか3球でプロ初勝利を挙げ、お立ち台に上がった。今年は先発投手としてひのき舞台に上がる。「さすがにバック宙をして、けがをしたら球団に怒られる」とパフォーマンスとしては封印するが、「この体に生んでくれた両親に感謝しないと」と目を輝かせた。最大の売りである投げっぷりの良さを武器に、先発の座を勝ち取ってみせる。【高橋洋平】

 ◆楽天のローテ事情 開幕投手(3月30日、ビジターでロッテ戦)は則本に決定し、岸は本拠地開幕戦(対日本ハム)、美馬は開幕カード(ロッテ戦)に入る見込みだ。残りの3枚のうち、辛島と藤平が筆頭候補となる。残った1つの椅子を塩見、森、菅原、池田、ドラフト1位の近藤らで争う。