ノーモア制球難! 阪神藤浪は紅白戦に登板し、2回を被安打4で2失点(自責1)だった。キャンプ7日目はプロ最速の初実戦。最高球速は球団のスピードガンで150キロと控えめだったが、昨季目立った直球の抜け球はなく、無四球で滑り出した。

 「毎年実戦に入ると打者を抑えたいとか、力んだり欲が出てしまいがち。今までブルペンで丁寧に考えながらやってきたことが一気に崩れてしまうことも考えて、丁寧にいきました。バランスよく投げることだけを意識した感じですね」

 ここ2年は初実戦で150キロ台中盤を計測。今年は派手さは捨て、体の軸がブレないフォームを全身に染みこませる作業を重視した。「球速はこれから腕を振っていけば出るものなので」。イニング間には感覚が薄れないようにブルペン投球。4回には痛烈な3連打も浴びたが、「状態が上がれば、もっといいボールを投げられる」と力強い。

 視察した侍ジャパン稲葉監督からは東京オリンピック(五輪)に向けて「彼はぜひ出てきてほしい選手。これからも見ていきたい」と期待。まずはフォーム固めから制球難を克服し、開幕ローテ入りするところから逆襲は始まる。次回登板予定の11日の練習試合DeNA戦では変化球の制球が課題。慎重に丁寧に、復活ロードを1歩ずつ進む。【佐井陽介】