阪神が、沖縄・宜野座で1、2軍合同キャンプを行うプランを温めていることが9日、分かった。まだ将来的な構想だが、球団側は今春、宜野座村に対してサブ球場を新設する提案をしていた。投手陣などが練習を行っているサブグラウンドが有力な候補地だ。阪神は03年から宜野座で1軍キャンプを行い、高知・安芸での2軍と分離実施が続いている。1、2軍のメンバーの入れ替えなど、緊密な連携をとる上でも合同キャンプの可能性を探っていく。

 沖縄・宜野座に阪神の1、2軍が一堂に会するプランが浮上した。春季キャンプは03年から1軍が宜野座、2軍が安芸の分離開催。球団幹部は「2軍が近くにいれば、選手の入れ替えがすごくスムーズになる」と合同キャンプの構想を語った。球界全体を見ても近隣での実施がトレンド。今春キャンプ期間に1、2軍が完全分離するのは阪神とヤクルトの2球団しかない。

 阪神が宜野座を拠点にして16年目。球団側が、新たにサブ球場の建設を宜野座村に提案していることが判明した。現在、主に投手陣がキャッチボールなどを行うサブグラウンドが有力な候補地だが、キャンプがない時期は多くの村民が利用するスペース。多方面での調整が必要になるが、宜野座村関係者は「詳しいことは決まっていませんが(サブ球場を)造るとなれば、2軍も来ることができます」と話しており、将来的な構想として検討していく。

 宜野座村は長年、練習環境の充実に努めてきた。06年に宜野座ドーム(現かりゆしホテルズボールパーク宜野座ドーム)を新設し、雨天時の練習に対応。今春キャンプ終了後はドーム横に多目的練習場を新設する工事に本格的に着手する。ブルペン棟のほか、トレーニングルームが入る2階建て建物を新造する。

 阪神は長年、1、2軍の合同キャンプを模索してきた。これまで沖縄の恩納村赤間や宜野座に近い金武(きん)町が候補地として検討されたこともあったが、近年は日本だけでなく、韓国球団も沖縄でキャンプを行っており、施設が不足しているのが現状だ。1月下旬、金本監督はキャンプメンバーを選別した際に「(新人の)高橋を(沖縄に)連れて行きたかったんだけど、人数の関係で」と話していた。合同キャンプなら、指揮官自ら2軍をチェックすることができる。

 65年から継続利用している高知・安芸については今後も秋季キャンプの拠点に位置づけており、撤退する考えはない。春は1、2軍の宜野座集結へ。今後も最善の環境整備を進める。