昨季限りで現役を引退し、今季からスカウトに就任した巨人の堂上剛裕氏(32)が10日、ホークスとのOB戦に2回から中畑清氏(64)の代走で途中出場し、勝ち越しの満塁弾を含む4打数2安打6打点とチーム一の大活躍を見せた。

 3回裏1死満塁。1ストライク1ボールからホークス若田部健一氏(48)が投じた117キロの直球を、豪快に振り抜いた。ライナー性の打球は右中間席の中段へ突き刺さった。「いい感触だったので、打った瞬間行くかなと思いました」。現役時代の満塁弾は1度だけ。レジェンドが集った舞台で会心の一発を放ち「ベンチに戻った時に大先輩から握手やハイタッチをしてもらって、一生忘れない1本になりました」と感慨に浸った。

 5回にも2死満塁で右前へ適時打を放ち、ダメ押し点を奪った。引退後、練習はしておらず、スイングは3カ月ぶり。それでも、身長184センチ、体重93キロと恵まれた体格を存分に生かしたフォローの大きいフルスイングで、この日を待ちわびた多くの観客を沸かせた。(敬称略)【巨人担当 桑原幹久】