ブルペン陣に新星誕生の予感だ。日本ハム田中豊樹が、今季初実戦で自己最速タイの153キロをマークした。「真っすぐが今日は良かった。指にむっちゃ、かかっていたので、良い感じだった」と、1-1の同点で迎えた8回から5番手で登板して3者凡退。その裏に味方打線が勝ち越し、チームの今季初の“勝利投手”にもなった。2月上旬ながら、2年前の夏に記録した自己最速に並ぶ仕上がりの良さで「最初のインパクトが大事だと思っていた」と、強烈な印象を残した。

 オフの取り組みが、いきなり実を結んだ。「きれいな真っすぐより、汚い真っすぐの方が打者は嫌だと思う」と、手元で動くボールを追い求めた。特にツーシームを徹底的に投げ込み、力強さのある“くせ球”に磨きをかけてきた。そのボールで手応え十分の結果に「この状態を継続して、調子を安定させて、このままシーズンに入れたら」と、声も弾む。今季は確固たる守護神とセットアッパーが不在。3年目右腕が飛躍の1歩目をアリゾナから踏み出した。