今日3日、西武とのオープン戦に先発する広島野村祐輔投手(28)に“がばい声援”が送られる。今年初の実戦登板の地は、佐賀。スタンドに07年夏の甲子園を制して「がばい旋風」と呼ばれた、あの佐賀北ナインが訪れるという。野村が広陵3年時に、夏の甲子園決勝で対戦した相手。右腕は「相手は佐賀のチームではないのでね」と笑ったが、思い出深い1日となるはずだ。

 2日、野村が調整していたマツダスタジアムに珍客が現れた。07年当時、佐賀北の捕手だった市丸大介さんだ。早大から東芝へ進んだ市丸さんは、野球部をやめて社業に専念することになった14年に広島に配属された。販売主任として県内を動き回り、この日は広島球団を訪れていたのだ。早大のチームメートだった土生だけでなく、野村とも親交があり、昨年末にはともに食事をしたという。市丸さんに、球場の通路で遭遇した野村は「明日(3日)、佐賀だから」と声をかけると、市丸さんは「いっぱい見に来ると思うよ、佐賀北から」と返した。

 「シーズン含めて立ち上がりは大切。やってきたことをマウンドで出せるようにしたい」という人生初の佐賀登板は、初の開幕投手へ向けた大事なマウンド。高校時代の一戦では佐賀北に4-0からの逆転負けを喫したが、今では友情を育んでいる。野村は市丸さんに「(佐賀北の元ナインに)応援してって言っておいて」と託し、笑って別れた。佐賀の地で、球友にプロとしての勇姿を見せる。【前原淳】