ヤクルト小川監督に、独自の視点で球界に提言を行う里崎智也氏の考えについて意見を聞いた。昨季までは編成部門トップのシニアディレクターを務め、現場、フロントで幅広い役職を経験している。「いろいろな意見や考え方はあるし、意見を出し合っていくことはいいと思う」と、丁寧に答えてくれた。

 (1)キャンプ時期の前倒し 開幕が早まっている以上、早くしてもいいという思いはある。柔軟性はあっていい。今は若い選手は最初から仕上げてくるから試合に早く出る。ベテランはあと。練習期間が長くなってベテランが最初から出たら、若い選手を使う時期がなくなる。そういう難しさはある。沖縄でのウインターリーグは、沖縄ではキャンプもやるし、選手は環境に慣れている。慣れない環境で、技術や精神を磨くことも大事。

 (2)試合時間短縮 日本の交通事情もある。お子さんに球場に足を運んでもらうためには、次の日は学校だから、早く帰らないといけないこともある。日本の野球人口を拡大することも大事。プロ野球のファンサービスは、グラウンドでのプレーというのが本来の姿。プレーに影響するものだと本末転倒になる。バランスが大事だと思う。

 (3)完全ウエーバー制 現行ドラフトの抽選もある意味では公平。米国みたいに市場が広くて全体1位も12位もあまり実力的に変わらなければ完全ウエーバーでもいいけど、日本では1位候補の人数が少ないと指名が偏るのは当然だと思う。戦力均衡なら、例えばドラフトを高校生ドラフトと、大学・社会人ドラフトの2つに分けるのも方法かも。どちらかを完全ウエーバーにしてもいいかもしれない。