悩める大砲に復調の兆しだ。阪神の新助っ人ウィリン・ロサリオ内野手(29=韓国・ハンファ)が右方向への適時打を放ち、首脳陣を納得させた。1回1死一、二塁でオリックスのルーキー左腕田嶋と対決。カウント2ボール2ストライクと追い込まれながら、外角高め143キロ直球を痛烈なライナーで右前へ。先制タイムリーを決め「すごくいい感じだね。(好調だった)沖縄の感じが戻ってきた」と笑みを浮かべた。

 試合前の時点で打率1割4分3厘。ただ、フリー打撃でも快音を連発するなど状態は上向きといえる。片岡ヘッド兼打撃コーチは「変化球をファウルにしたのはオープン戦で初めてじゃないかな。逆方向に打てたのが今日の収穫ですね」と説明した上で「初めて当たる投手も多い中、チャンスで軽打できた。あれで打点も増えていく」と納得顔。金本監督も「エンジンをかけてきたんじゃないの?」とニッコリだ。

 4回先頭での2打席目も遊撃安達の好守に阻まれたが、バットの芯でとらえた力強い遊ゴロ。ロサリオ自身は復調のきっかけを問われると、「自分のルーティンをしっかり心掛けたからね」。状態によってティー打撃の方法を変えるスタイルを貫き、3・30開幕に合わせてきた形だ。開幕前のオープン戦は今日25日の残り1試合。「野球を楽しむ。それだけだね」と笑う表情にも、陽気なドミニカンらしさが戻ってきた。