日本ハムが開幕3連敗を喫した。打線は西武と同じ9安打を放ちながら、得点は中田翔内野手(28)の1号ソロのみ。4回以外は走者を出したが、決定打を欠いた。開幕3連戦3連敗は、09年以来9年ぶり。厳しいスタートだが、9年前はリーグ制覇と歓喜の秋を迎えた。まだ、3試合を終えたばかり。覇権奪回へ、気持ちを切り替えて仕切りなおす。

 主砲の1発は少しだけ、超満員のファンのストレスを和らげてくれた。8回に中田が今季1号ソロ。弾丸ライナーで左翼席へ突き刺した。あまり笑顔はなく、ダイヤモンドを1周した。「分かりやすく言えば、意味のない1発に終わってる」。試合後の主将の言葉通り、逆転につながることはなかった。エープリルフールに、9年ぶりとなる開幕3連戦3連敗。うそではない。現実だ。

 打線は消化不良のまま、3連戦を終えた。2番に近藤が起用されるなど、前日3月31日までと違うオーダーで臨んだ。西武打線と同じ、9安打を放った。だが、1点しか取れなかった。チャンスをつくっても、決定打が出ない。中田は「内容的に何かがかみ合わない、吹っ切れるものがない」と、野手陣を代弁して言った。5回に4安打を集中して3点を奪った相手とは対照的な攻撃に終始した。

 現実を受け止めて、仕切り直すだけだ。中田は言う。「(負けが)3試合も続いて『切り替えて』という言葉を使いたくはない。僕だけじゃなく、みんな悔しい思いをした。絶対に、やり返してやると、みんな思っている」。屈辱は反撃の力に変えるしかない。09年はリーグ制覇して、歓喜の秋を迎えた。「焦らず、やるしかない」。まだ、3試合を消化しただけだ。

 栗山監督は「結果がすべて。これが現実なので。申し訳ないです」と振り返った。経験値の少ない若手が多いチームに「バタバタしないでほしい。まだ、始まったばかりだと思ってやってほしい。ただ、あんまり、のんびりしないでくださいよ」と、メッセージを送った。下を向く必要はない。3つの黒星を取り返す時間は、たっぷりある。【木下大輔】

 ▼日本ハムの開幕3連敗は、09年に本拠地の札幌ドームで楽天に1●3、5●6、6●9で3連敗して以来9年ぶり。開幕連敗の球団ワーストは、東映時代の54年と97年の6連敗。日本ハムでの3連敗以上は、95年3連敗、97年6連敗、04、05、09年と今季の3連敗。