湿っていた楽天打線が大爆発だ! 今季初の先発全員安打となる最多15安打を浴びせ、西武を12-6と圧倒。連敗を3で止めた。初回、銀次内野手(30)の2点適時打で勢いに乗り、新選手会長の岡島豪郎外野手(28)が今季1号の3ランを放つなど大量8点を先制。黒色を基調とする「TOHOKU PRIDEユニホーム」を今季初着用し、待望のホーム2勝目を挙げた。

 プロ初勝利を挙げた2年目池田とともに上がったお立ち台で、岡島は絶妙の切り返しで、黒色のユニホームをまとったファンを沸かした。初回にまず4点を奪って迎えた1死一、三塁、西武先発ウルフの2球目だった。今季1号は140キロカットボールを逆方向のレフトにたたき込んだ。インタビュアーから「風にうまく乗ってくれましたね」と問い掛けられると、数秒間沈黙。その後ポツリと「いや、実力です」とひと言発した後に、球場内の爆笑を誘った。

 岡島 正直、風があったんで助けられました(笑い)。苦しい状態でしたけど、この勝ちを糧にして、全員で根性こめて戦っていきたいと思います!

 グラウンドにたたきつけたバットが、「黒鷲軍団」の初回大爆発の号砲代わりとなった。1死二、三塁でウィーラーが左脇腹に死球を受け、怒りをあらわにして一塁へ。続く5番銀次が中前にはじき返し2点を追加。打率2割を切っていた男の一打で、開幕から湿りっぱなしだった楽天打線がついに点火した。

 銀次 集中して自分のスイングができた。流れに乗れて良かった。冷静に高いボールだけを待っていた。あの一打は大きい。

 楽天は試合前まで、14試合を消化してリーグ最下位タイの40得点と苦しんでいた。先発陣の好投が続いていただけに、梨田監督は打線の爆発を待ち望んでいた。試合後、今季初の2桁得点をマークした打線に、「もっと早くこういう形になれば。少し状態が上向いてくればいいね」とさらなる奮起を促した。前日14日の2安打に続き、上り調子の岡島は「良い感じで打線が来ている。得点できて、チームとしても素晴らしい」と前を向く。ついに着火した楽天打線がここからさらに、火を噴く。【高橋洋平】

 ▼楽天が1回に8得点のビッグイニング。16年9月29日オリックス戦(京セラドーム大阪)の6回に記録以来で、1イニング8得点以上は球団史上11回目(最多は10得点が2回、9得点が1回)。初回に記録するのは初めて。