楽天ドラフト6位ルーキーの西巻賢二内野手(18=仙台育英)が、4打数1安打2打点と気を吐いた。19日、イースタン・リーグ日本ハム戦(ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉)に「2番二塁」で先発。8回に適時打を放つと、延長11回には無死満塁からサヨナラ押し出し四球を選んで試合を決めた。開幕19戦中17試合に出場し、持ち前の高い守備力と粘りのある打撃を披露。1年目での1軍昇格に向け、攻守にアピールを続ける。

 思わず、にやけた。延長11回無死満塁。西巻はカウント3-1の4球目、高めに抜けた直球を堂々と見送った。サヨナラ押し出し四球を選ぶと、ドヤ顔でゆっくりと一塁へ。ちょこんとベースに左足を乗せると、きびすを返して整列に加わった。

 西巻 ああいう場面で回ってくるのは俺“持ってる”のかなと。勝手に思いながら打席に入った。ここで決めればいいじゃないかと思いつつ、四球でしたけどね。そこがまだまだ足りない。打って決めたかった。

 この日は8回に適時打を放ったものの、2度回ってきた満塁機では1本が出なかった。9回はカウント2-0から甘い直球を見逃した後、遊ゴロでホーム封殺。「あそこは気持ちで決めなきゃ。打てる球は来ていた。消極的な感じが駄目」。1本の適時打で満足することなく、凡退を反省するのが西巻の真骨頂だ。

 戦友と久しぶりの再会を果たしていた。17日の日本ハム戦では、清宮がプロ初安打を左中間に放った際、二塁上で西巻から「おめでとう」と言葉を交わした。前日18日には清宮と会食に行き、「話題は金属と木製の違いとかですかね。投手のレベルが高校までとは全然違うとか」と野球談議に花を咲かせた。

 でも、ここが戦う場所ではない。2軍で経験を積みながらも、照準はあくまで1軍昇格に合わせる。すでに安定した守備はアピール済み。課題の打撃では、11日ロッテ戦で東北出身の先輩成田からプロ初本塁打を放った。「もっと積極的にいきたい。1軍に呼んでもらって、試合に出るのが目標」。池山2軍監督は「いろんな経験して、もっとレベルを上げていくだけ。2軍ではずっと使い続けていく」と伸びしろに期待する。さらなる成長を遂げて、1軍昇格の扉をノックする。【高橋洋平】