アライさん復活! 2軍調整中の広島新井貴浩内野手(41)が1日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(大阪シティ信用金庫スタジアム)で1カ月半ぶりに実戦復帰した。開幕直前に左ふくらはぎを痛め、14年ぶりに開幕1軍を外れていた。2打席で右飛に四球と安打は出なかったが、全力疾走も見せるなど元気いっぱい。全快をアピールした大ベテランは、チーム状況しだいで今週中にも1軍合流する可能性が出てきた。

 ハッスルプレーを身上とする新井が、グラウンドに帰ってきた。3月17日の楽天とのオープン戦(静岡)以来45日ぶりの実戦。走攻守にはつらつとした姿を見せた。1軍への合流がカウントダウンに入った。

 「良かった。痛みも不安もないし、いい感じ。何の問題もない。守備についての(打球への)反応とか、ランナーでしっかり走ったりしてどうなるかと思っていた。100%でやった。バッチリだと思う。いい1日だった。もう大丈夫という感じになった」。

 1回の第1打席は2死一、二塁で浅い右飛。山田の真ん中付近の球をとらえきれず、思わず舌を出した。「ちょっと打ち損じたけど、入り方だったり球の見え方は良かった」。3回はフルカウントから低めを選んで四球。ここで代走を送られる予定だったが、志願して出場を続行した。

 「もう1イニング守らせてくれということだったので」と水本2軍監督。新井も「守って1歩目の反応とかを、もう少し見たかったので」と明かした。一塁走者として、次打者小窪の二飛で全力疾走。これまで口にしていた走塁面での不安も振り払うことができた。

 4回の打席で代打を送られベンチに退いた。夏を思わせる大阪の暑さに汗をかきながら、41歳は楽しそうにプレーした。「ファームでの試合も久しぶりだったしね。みんなと一緒にできて良かった」。3月21日の練習中に左ふくらはぎを痛めた。再発防止のため、慎重にリハビリを進めてきた。そんなもどかしさから、ようやく解放された。

 2軍で結果を求められる選手ではない。この実戦復帰を広島で伝え聞いた1軍の高ヘッドコーチは「状態や内容が上がってくれば」と、早期の合流を否定しなかった。新井は「言われたところでやるだけだが、準備はできてます」ときっぱり。早ければ今週中にも昇格する可能性が浮上した。丸が離脱したばかりのチームに、頼れる男がもうすぐ戻ってくる。【大池和幸】