楽天嶋基宏捕手(33)が17日、ソフトバンク9回戦で攻守にわたる活躍を見せ、サヨナラ勝ちを引き出した。8回1死二塁、楽天キラーのモイネロが投じた2球目、真ん中に甘く入った144キロ直球をとらえて、左中間二塁打で同点とした。「直球1本で待っていた。イメージしていたのより、いい打球だった」。到達した二塁上で思い切り両手をたたいて、チームを鼓舞した。

 その主将の踏ん張りに、今度は選手会長が応えた。9回、相手失策で拡大した1死一、二塁のチャンス。岡島豪郎外野手(28)が意地を見せ、サヨナラ中越え二塁打を放った。岡島と2人で立った試合後のお立ち台で、嶋は「勝つしかない、という気持ちが現れた」と同点打の場面を振り返り、最後は2人一緒に「Burn!」で締めた。

 守備でも魅せた。7回、8回と連続して相手の盗塁を刺して、チームをもり立てた。「試合後半での盗塁は流れが変わる。相手の流れを止めることができて良かった」。8日のロッテ戦から今季初の4連勝をマークするも、ホームのソフトバンク戦で2連敗。首の皮1枚で踏みとどまり、5月の勝率を6勝6敗の五分に戻した。「大型連勝するしかない。こういう形で勝って流れに乗って、いい雰囲気でやりたい。全力で頑張ります」。当面の目標は最下位脱出。地道に勝利を積み重ねていくしか、方法はない。【高橋洋平】