“超便利屋”の広島九里が、チームに12球団最遅となる40試合目での0封勝利をもたらした。自己最長タイの8回を投げ、5安打無失点。今季3度目の先発で待望の今季初白星を手にした。

 気持ちは熱く、冷静に、立ち上がりから強気に攻めた。両サイドと低めを徹底。ストライクを先行させた。リズムいい投球が野手の好守を呼び、さらにテンポが増した。8回裏に好機での打席で代打が送られプロ初完投は持ち越しとなった。今季初勝利にも「9回まで投げきれるような投手に自分自身もレベルアップしていかなといけない」と悔やんだが、先発としての役割を十分に果たした。

 昨季は先発と中継ぎにフル回転して9勝を挙げた。今季も開幕時はロングリリーフとしてブルペン待機し、4月17日に先発に配置転換。先発予定の2試合が雨で流れ、登板はなかなか巡ってこなかった。中13日での登板も、影響を感じさせない112球の力投。緒方監督は「空いた中でもこういう投球をしてくれたので、次回も期待したい」と目を細めた。3連勝で貯金は今季最多11。2位巨人にも今季最大となる4・5ゲーム差とした。【前原淳】