明大が土俵際で踏ん張り優勝へ望みをつないだ。負ければ慶大の優勝が決まる一戦で、3年生右腕の伊勢大夢投手(九州学院)が3安打完封。慶大を2-0で下し、優勝決定は次週に持ち越された。法大は高田孝一投手(2年=平塚学園)が2勝目を挙げ、早大に4-2で勝利。両カードとも1勝1敗の五分となった。

 負ければ優勝がなくなる中でも、明大先発の伊勢は熱く、冷静だった。「目の前で胴上げを見るのだけは絶対に嫌だった」。持ち前の制球力で、9回までストライク先行の投球。当たっている慶大の4番郡司を無安打に抑え、初完投を3安打完封でやってのけた。

 チームは何度も好捕でもり立てた。6回2死一塁では、中堅の逢沢が、3番柳町の大飛球をフェンスギリギリでジャンピングキャッチした。伊勢は「正直、本塁打かと思った。逢沢さんのあのプレーが今日の試合で一番大きかった。明日勝って自分たちの力で優勝したい」と力を込めた。

 善波達也監督(55)は、1月に70歳で亡くなったOBの星野仙一氏の名を出した。「今日はいい集中力があった。明治魂を持ち、星野さんにもいい報告ができるように頑張りたい」。明大の神髄、ここ一番での粘りを見せる。【和田美保】

 ◆優勝の行方 今日21日の3回戦で慶大が勝てば、勝ち点4(8勝2敗)、明大は勝ち点3(7勝4敗)となる。次週の明大-法大戦で明大が1敗すると、慶大は最終週の早慶戦に連敗でも勝率で上回り、優勝決定。明大が法大に連勝でも早大から勝ち点を挙げれば優勝となる。明大が勝てば勝ち点4(8勝3敗)、慶大は勝ち点3(7勝3敗)。明大が法大に勝ち点を挙げれば、早慶戦を待たず勝ち点5の優勝が決まる。