阪神ウィリン・ロサリオ内野手が一振りで試合を決めた。

 両軍スコアレスで迎えた8回。2死一、二塁から近藤の浮いたスライダーを高々と打ち上げる中越え二塁打。2人を生還させ、これが決勝点になった。

 4号2ランを放った22日のヤクルト戦(倉敷)に続く、2試合連続(23日は中止)のヒーロー。「いい形で打てたので、気持ちよかった。こうやってみなさんの前でヒットを打てて、チームに貢献できて、本当に最高の気分。秋山投手がすごくいい投球をしていたので、チームと投手を助けられて本当によかった」と会心の笑みを浮かべた。

 8回の攻撃。先発秋山が8回無失点ながら援護を受けられず、この回に代打を出されていた。1死から1番植田海が意表を突いて投手、一塁手、二塁手の間に転がすセーフティーバントを成功。金本知憲監督も「見事。やるタイミングもうまい」と絶賛した妙技で出塁すると、2番の糸原は犠打で2死二塁。ヤクルトベンチは福留を申告敬遠し、ロサリオとの勝負を選んだ。ここで投手が左腕中尾から近藤にスイッチしたが、4番打者は右腕の失投を見逃さなかった。前進守備だった中堅青木が全力で背走したが、打球はそのさらに先に落ちた。ロサリオは二塁塁上で阪神ベンチに向かってこん身のガッツポーズを繰り出し、喜びを表した。