日本ハムの怪物ルーキー清宮幸太郎内野手(19)が、10代最後の誕生日をプロ初適時打&初マルチで飾った。2回の第1打席で、12打席ぶりの安打。スタンドが奏でるバースデーソングに乗って打席に立つと、外寄りの146キロ直球を逆方向へ。19歳最初の一打は左前に落ちた。

 7回2死二塁ではフルカウントからの7球目を強振。「大したことないファーストゴロです」。強いゴロは相手一塁手の手前で高く跳ね、右前へ転がるラッキーなプロ初適時打となった。この日は「振り負けないようにするのを心掛けた」という。前日まで得点圏での成績は7打数0安打。得点圏打率0割だっただけに「楽しめました」。勝利に貢献した喜びで、自然と笑顔になった。

 ちょっと、特別な1日だ。球場入りするなり、報道陣から歌とケーキで出迎えられた。「うれしいです。この18歳で、人生が大きく変わった。高校野球からプロ野球の世界に来て、いろいろなことがあった」。今月2日の1軍デビューから打率はこの日の試合前まで1割5分と低迷。「もっと打って、気持ち良く(誕生日を)迎えられたら良かったんですけど、そうはうまくいかない」と、プロの厳しさを実感している。「これからも苦労すると思いますけど、めげずに食らいついていけたら。来年の誕生日には、今よりもっと打っていたい」。10代最後の1年を、飛躍への足掛かりにする。【中島宙恵】