連勝が2で止まった西武辻監督が、印象的な言葉を残した。

 「1点を惜しむと、大量失点になる」

 具体的には、7回の4失点のことだ。無死一、三塁で、3番手の平井が日本ハム近藤に3ランを打たれた。初球ボールの後の146キロが高く入り、左翼席へ放り込まれた。

 過程も、相手のいいようにやられた。先頭西川に、野田が初球の高く浮いたスライダーを中前に運ばれた。ここで平井に代わったが、大田にランエンドヒットを成功される。カウント2-2から、一塁走者の西川がスタート。二塁浅村は二塁ベースカバーへ動いたが、それによって出来たスペースを打球が抜けていった。右前打となり、一、三塁。そして、近藤に手痛い1発を浴びた。さらに、2死から清宮に適時打を打たれた。

 辻監督は「あの4点はない。初球を打たれ、ランエンドヒットを簡単に決められ、ホームラン。大田に走られてもいい。もっと攻め方を割り切っていかないと」と言った後に、冒頭の「1点を惜しむと」の言葉を続けた。

 もちろん、走られない方がベターだが、走られたくないと思うがあまり、近藤への攻め方が雑になったという指摘だろう。そうなるぐらいなら、たとえ走られて二、三塁となっても、さらに塁を埋めてでも、絶対に追加点をやらないという姿勢が欲しかったということだ。

 結果的に、この4失点が響いた。7回、8回で計3点を奪い、3点差まで詰めたが、届かなかった。悔やまれる4失点だった。

 辻監督は、こう締めた。

 「打線は上向きになってきて、後半に点を取った。いい時のように、投手が1点でも少なく抑えるように。慎重に投げすぎず、でも考えて投げないと、中継ぎは困る」

 打線が復調気配だからこそ、負けている展開でも点を与えないことが、一層大事になる。【古川真弥】