阪神金本監督が愉快痛快な「巨人戦3連勝返し」で手応えをつかんだ。甲子園で、指揮官の声も自然とはずむ。4月20日から本拠地で宿敵相手に3連戦3連敗したが、今回は逆スイープし、リベンジに成功した。

 「前回、3つやられているので、そのお返しというか、3つ取れて、本当に良かったです。選手たちは、そういう思いを持ってくれていたと思いますよ」

 この日の試合前、金本監督は決断する。今季初めて糸井を4番に据え、不振のロサリオを7番に下げた。2回、糸井のチーム初安打となる右中間二塁打が中谷の先制2ランを呼んだ。4番抜てきは昨年6月2日日本ハム戦以来。約1年ぶりの大役を任されると5、7回は中犠飛でいずれも打点を挙げ、本領を発揮した。

 快勝後の糸井は「才木が頑張っていたのでね。初勝利、おめでとう」とお祝いした。指揮官も「一番、理想と思って、組んだオーダー。点も取ってくれたし、中谷の本塁打を呼んだ。今日はみんなが、若い力とベテランの力がちゃんとかみ合った勝利」と評価した。

 1カ月前、巨人に甲子園で3連敗したあと、金本監督は「悔しさを持っていない選手はいらない」と断じた。この日は鮮やかな反骨心を見せ、14年4月以来、金本政権で初の巨人戦3連戦3連勝だ。貯金2で交流戦へ。指揮官は「打線の低調なときでも、これだけ2つある。貯金2で交流戦を迎えられるのは大きい。(交流戦の貯金が)去年を上回れるように。4つ、5つできるように頑張ります」と前を向く。昨季の交流戦は10勝8敗。大山や中谷が復調し、上げ潮でパ・リーグに挑む。【酒井俊作】

 ▼阪神が巨人戦同一カード3連戦に3連勝したのは、14年4月11~13日(甲子園)以来、4年ぶり。このときは11日メッセンジャー、12日能見、13日榎田(現西武)のローテーションで、巨人を3試合計2得点に封じ込んだ。