人生初のグランドスラムをたたき込んだ。阪神糸井が9号逆転満塁本塁打を放ち、4連敗中の虎に交流戦初白星をもたらした。

 1点を追う6回2死満塁、西武の2番手野田の初球。真ん中高め130キロのスライダーに体が反応した。「いやもう、やったと思いました。初球から、甘い球が来たらいこうと。自分の中の意地が出たと思います。何としても試合をひっくり返すという強い気持ちで打ちました」。捉えた瞬間に柵越えの感触はあったという。ロサリオがスタメン落ちし長打力の低下が懸念された打線にあって、4番らしい大きな仕事をした。

 初回に先制適時打、7回にダメ押し犠飛も放ち、プロ15年目にして初めての1試合6打点もマークした。当然呼ばれたヒーローインタビューでは「連敗してたんで、なんとか止めるぞという強い気持ちでいきました。明日も勝てるように、意地見せたいと思います!」と言った。金本監督は「狙ってはいないと思うけど、甘い球を仕留めた」と、初球の変化球を仕留めた技術と集中力を絶賛した。【真柴健】

 ▼糸井が6回に逆転満塁本塁打。これが通算151本塁打目の糸井だが、満塁はプロ入り初めて。前日まで通算150本塁打以上の選手で満塁本塁打を記録していないのはロバーツ(近鉄)183本、セギノール(オリックス)172本、李スンヨプ(オリックス)159本、糸井の4人しかおらず、通算150本以上の日本人選手では糸井だけが満塁弾を打っていなかった。