プレーボール直前に試合開始が見送られ、そのまま中止が決まった。

 代替日程は11日の月曜日午後6時からと発表された。阪神金本知憲監督は「やりたかった。(9日から)9連戦になるからね。先発は大丈夫だけど、ちょっと心配なのはリリーフ」と浮かない顔だった。

 試合前から降雨に翻弄(ほんろう)された。両軍のシートノックまでは通常通りに行われたが、次第に雨脚が強まった。

 君が代演奏のアナウンスが流れ、両軍ナインがベンチ前へ。観客も起立した。ただ、ここで目に見えて雨が強くなり、審判団は両軍サイドに向かって「ベンチにいったん下がってください」の合図。場内には「雨が強くなってきたのでご着席ください」とアナウンスが流れた。

 マウンドと本塁に小型のシートが置かれたが、しばらくして雨が弱まったタイミングを見計らい、両監督によるメンバー表交換が行われた。シートが取りのぞかれ、先発岩貞ら阪神ナインが守備につき、約5分遅れでプレーボールがかかる見込みになった。

 だが、プレーボール直前に再び大雨が降り出し、阪神ナインはベンチに引き返した。「試合開始をしばらく見合わせます」のアナウンスが流れ、待機に入ったが、状況は変わらなかった。

 中止決定後も風雨が吹き荒れ、帰宅困難な一部の観客が銀傘の下に集まって居座った。閉門時間を告げるアナウンスが何度も流れ、観客が全員球場を後にしたのは中止決定から1時間が経過した午後7時40分ごろだった。