次こそ勝つ! 広島が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦に敗れ、今季2度目の4連敗を喫した。自身7連勝中だった大瀬良大地投手(26)はプロ初の3被弾で、今季最短4回KO。7失点の3敗目で両リーグ最速10勝目はお預けとなったが、首位チームを引っ張る右腕の活躍は今後も欠かせない。前を向いて仕切り直しだ。

 大瀬良がソフトバンクのアーチ攻勢に沈んだ。よもやの今季ワースト7失点。期待された千賀との投手戦が1回から崩れた。先発陣の柱は反省しきりだ。

 「初回、2回とあれだけ点を取られて申し訳ない。調子は良くなかった。真っすぐが初回からいい当たりをされていた。今までとれていたファウルがとれなかったり、強く引っ張られたりしていた。(走者を置いた)ここというところでしっかり投げきれないと、ああいう形になる」

 1回はデスパイネに中越え先制3ラン。2回は高田に右越え2ランを運ばれ、4回は上林にバックスクリーン右への2ランを許した。今季12被弾は両リーグ最多。14年6月7日に1回0/3で10失点して以来のソフトバンク戦先発は、またも大量失点に終わった。

 思わぬアクシデントに見舞われていた。前日14日、オリックス戦があった大阪を先発準備のためひとあし早く出発し、夜のうちに博多に到着するはずだった。ところが新幹線の人身事故で博多~広島間が運転見合わせとなった影響を受けた。ダイヤの乱れによって広島への到着も深夜。一夜明けて、登板日の朝移動を強いられた。それでも言い訳にせず、チームのために懸命に投げ続けた。

 ヤフオクドームはプロでは救援登板した15年以来だが、九共大時代から何度も経験した。2年秋の九州大学選手権では準決勝、決勝に2日連続の完投勝利。秋では九州代表で出場1校のみの明治神宮大会に導いたのが最高の思い出という。「4年生は最後だし、感慨深かった。いい思い出も悪い思い出もあるマウンド」。この7失点で嫌な記憶が追加されてしまったが、リーグ3連覇に向けては今後も右腕の働きが必要だ。

 4連敗で交流戦の勝ち越しがなくなった緒方監督は「(開幕後)ずっと良かったから。また次回に調整して、ゲームをつくってローテの柱として頑張ってくれたらいい」と責めなかった。大瀬良も「切り替えて、準備したい」と目線を上げた。次こそ、白星をつかんでみせる。【大池和幸】