広島が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で今季12度目の逆転負けを喫し、15年以来の5連敗を喫した。1点リードの7回に2番手今村猛投手(27)がつかまり4失点。リーグ首位ながら、4年ぶりの交流戦の負け越しが決まった。苦戦するパ・リーグとの対戦も残り2試合。広島の底力が試される。

 勝ちパターンを投入する展開に持ち込みながら、広島はソフトバンクの技術力、選手層、パワーの前に屈した。1点リードの7回。緒方監督は先発ジョンソンから今村にスイッチ。逃げ切りを図ったが、1死一塁から9番川瀬の三塁線への絶妙なセーフティーバントで流れが変わった。続く代打長谷川勇に痛打されると、犠飛で勝ち越し。さらに内川には復帰の2ランを被弾した。12度目の逆転負けで5連敗。4年ぶり交流戦負け越しが決まった。

 緒方監督 切り替えてやるだけ。連敗しているし、明日また全員で連敗を止めて、しっかりした戦いができるようにする。

 投壊で無残に敗れるこれまでのパターンとは違い、中盤までは広島ペースだった。1回に先制し、3回には鈴木の1発で加点。先発ジョンソンはソフトバンク打線を5回まで無失点に抑えた。だが、6回にジョンソンが1点差に詰め寄られると、次第に流れはソフトバンクに傾いていった。

 逃げ切れていれば見なかったものも、敗れたことであぶり出される。先制した1回の攻撃も、無死二、三塁から追加点を取れなかった“拙攻”に変わる。これまで0封負け翌日はいずれも2桁安打を放つ反発力を見せていたが、この日は5安打。3回以降は無得点に終わり、2試合連続先発全員三振を喫した。この日3打数0安打の2番菊池は最近5試合で19打数2安打、打率1割5厘と調子を落としている。

 5連敗は、優勝した一昨年も昨年もなかった。15年開幕直後の7連敗以来。投壊の悪い流れに、打線の不振も重なりつつある。ベテラン新井は「ここを何とか踏ん張らないと」と懸命に前を向く。勝つことで報われるものもあれば、流れが変わるきっかけともなる。今こそ、反発力と底力が問われている。【前原淳】