ロッテ石川歩投手(30)が「日本生命セ・パ交流戦」最多勝となる4勝目を挙げた。阪神打線を5回5安打1失点に抑え、チームを勝利に導いた。18試合制となってから交流戦4勝は初の快挙。4番角中勝也外野手(31)は3安打1打点で締めて、打率4割1分2厘は交流戦首位打者に立った。投打の主役が活躍し、リーグ再開に向けて弾みをつけた。

 本調子でないなりに、石川はきっちり最少失点に抑えた。初めて立つ甲子園のマウンドは低く、投げにくく感じた。「真っすぐが全然いってなかった。相手の打ち損じが多かっただけで、自分で抑えた感はないです」と反省した。投球回は今季自己最短の5回。それでも3回無死一、三塁のピンチではカットボールをコーナーに操り、本塁を踏ませなかった。

 これが勝ち頭たるゆえんだ。女房田村は「コントロールがいい。交流戦の勝ち星もそこに尽きる」と言った。「今日は調子が良くなさそうだったから、球を増やしたら苦しくなる」。球威がない時、球種を絞ってもきっちり四隅に投げられる。打ち損じ“させる”投球ができる。

 7回を無失点に抑えた前回DeNA戦を筆頭に、過去3試合は「すごい良かったと思います」と自画自賛の好調ぶりだった。だが状態に関係なくゲームをつくる方が重要。5月22日の日本ハム戦から自身5連勝。交流戦4勝は、雨天順延など日程の巡り合わせも手伝って18試合制となった15年以降初の記録となった。

 これでチームは交流戦を3連勝締め。4月18日以来の貯金を手にした。井口監督は「ようやく貯金ができました。これからリーグ戦に戻りますけど、残りの試合も彼の働きはもっと大事になる」と全幅の信頼を置く。ボルシンガーと並んで早くも8勝目。石川は「自分で今日の課題もわかってますし、パ・リーグの打者は甘い球を逃してくれない。調整し直して、また状態を上げてきます」と頼もしかった。【鎌田良美】

 ▼ロッテ石川が交流戦4勝目。交流戦が18試合制になった15年以降、投手の4勝は初めて。今季8勝はリーグトップのアルバース(オリックス)ボルシンガー(ロッテ)に並んだ。ロッテの投手2人が6月までに8勝を挙げたのは、05年の渡辺俊、小林宏(ともに9勝)以来13年ぶり。

 ▼ロッテは4月18日(8勝7敗)以来の勝ち越し。パ5球団の貯金は15年4月18日にオリックス以外が勝ち越して以来。全チーム60試合以上消化では13年7月5日(オリックス以外に貯金)以来になる。