首位広島がソロ5発の5得点で巨人を沈めた。丸佳浩外野手(29)と鈴木誠也外野手(23)の3、4番コンビが今季初のアベック弾をマーク。前日6日は完封負けを喫したが、一夜明けた七夕の夜に鬱憤(うっぷん)を晴らした。今季初となる2打席連発の丸はリーグ打率トップに浮上。試合のなかった2位阪神との差を7ゲームに広げた。

 広島が誇る最強コンビが巨人内海から先手を奪った。まずは4番鈴木が4回、左中間への先制12号ソロ。そして5回は丸が続いた。直球にやや差し込まれたが、左中間席にチーム2点目の16号ソロを運んだ。「詰まったけどポイントが良かった。いい角度で上がってくれた」。今季初のアベック弾でリードを広げた。

 前日6日には菅野から得点を奪えず完封負け。それでも丸の気持ちは切り替わっていた。「やり返すというより、毎試合毎試合一緒なので。勝っても負けても切り替えて、やることは変わらない」。投手が田原に代わった8回には豪快な右越え17号。2打席連発は今季初だが、交流戦明け12試合で4度目の1試合2本塁打と固め打ちが続く。

 これで中日平田を抜き、わずか2糸差でリーグ打率トップに躍り出た。「悪いことじゃない。ただ今の時期に打率で一喜一憂することはない」。昨季も首位打者を争ったが、シーズン終盤に打率を下げた。それだけに気にする様子はない。今季の巨人戦はこれで25打数14安打の打率5割6分。「たまたまじゃないですか」と意に介さないが、カード別最多5本塁打と完全にお得意様にしている。

 再び2点差とされた9回には3番手中川を襲撃。西川と会沢の2者連続ソロで突き放した。下位打線も威力十分。緒方監督が「ソロ5発はできすぎ」と驚くアーチ攻勢だった。本拠地のある広島は大雨災害が拡大。勝ち投手の野村は「大変な思いをされている。少しでも明るい話題を届けたい気持ちがあった」と言った。ファンの強い声援を背に、チーム一丸で頂点へ突き進むだけだ。【大池和幸】