広島は西日本豪雨災害による試合中止決定から一夜明けた9日、松田元オーナー(67)が取材に応じた。県内の被害が拡大し、この日からの阪神3連戦(マツダスタジアム)の中止を決断。「今回はさすがにできないと思った。最初は1試合だけと思ったが、そういうわけにもいかない。行方不明者もどんどん出ている状況だし」と語った。

 球団職員の中には家が流されたり、所有車が水没した人もいたという。「こういう形での中止は記憶にない」というから、まさに異例の措置だった。2軍本拠地の山口・由宇球場は一部で被害があったが、試合開催は可能という。犠牲者に弔意を示し、マツダスタジアム正面に掲げられている日の丸と広島市旗は半旗にされた。

 球宴期間と名古屋での中日戦をはさみ、次の広島での試合は20日巨人戦。松田オーナーは「その時にはみんな前を向き出していると思う。復興の支え、気持ちの支えになりたい。この球団はそういう宿命。試合でしっかり戦うさまを見せたい」と市民球団として開催したい意向を示した。この日は投手陣の練習が行われ、大瀬良は「今できることをしっかりやっていきたい」と話した。