ミスターに並んだ。西武源田壮亮内野手(25)が、入団から220試合連続のフルイニング出場を達成した。巨人長嶋茂雄(現終身名誉監督)の持つプロ野球記録に並び「光栄です。使ってもらっている監督、コーチ、そしてトレーナーさんにもお世話になっている。いろんな方のおかげです」と感謝した。

 ルーキーイヤーの昨季は史上4人目のフルイニング出場。新人の最多安打記録を更新する155安打を放つなどチームを支えたが、シーズン後の10月中旬、ぽつりとこぼした。「今年ここまでできるとは、全く想像していなかった。来年は正直、こんな成績は残せないと思います」。がむしゃらに走り抜けた1年目。2年目はさらなる期待とともにやってくる。不安をぬぐい去るためにも「使っていただけるように、できることをやる」と決めた。

 その決意は覚悟となった。6月の交流戦。走塁で右手人さし指を負傷した。痛めた第1関節部分には、現在もテーピングを施してプレー。まだ曲げられない状態だが「下(下半身)をしっかり使えば送球には問題ない」と完治よりも、痛みと付き合うことを選んだ。

 昨年経験した143試合は課題も明確にした。「ボール球にどうしても手を出してしまう。それでは打率はもちろん、出塁率も残せない」。持ち味の積極性と選球眼、判断力の共存。進化しなければレギュラーを務め上げられない。「まだまだできていない」と上を見るが、この日の6回の今季1号は成長の跡を示した。「(前打者の)秋山さんが初球を打った後。多分真っすぐで(ストライクを)取りにくるかなと。あそこは手を出していい場面と思った」。積極性と判断力で初球の外角144キロを振り切り、左翼席に運んだ。

 この1発から一時同点に追いつくも敗戦。「もちろん(試合の)最初から9回まで任せてもらえるのが理想。でも(連続出場は)狙ってやれるものじゃない。自分のできることをやって頑張るだけ」と最後まで表情を崩すことはなかった。今日11日は“ミスター超え”がかかるが、目指すのは勝利だけ。「明日勝てれば一番いいですね」。チームの勝ちに貢献するために、源田は全力でグラウンドに立ち続ける。【佐竹実】

 ▼源田が新人だった昨年開幕戦からの連続全イニング出場を220試合に伸ばし、58~59年長嶋(巨人)のプロ野球記録に並んだ。長嶋は59年8月18日阪神戦で、ケガのため途中交代し記録がストップしたが、源田はどこまで記録を続けられるか。また、西武では秋山が14年9月6日から530試合全イニング出場を継続中。パ・リーグ記録は88~92年愛甲(ロッテ)の535試合で、秋山も源田に続いて記録が近づいている。