中日小笠原が壁を破り、チームを前半戦連勝に導いた。持てる球を要所で使い分け、6回1/3を3安打、7奪三振。140キロ超の直球にカーブ、チェンジアップ、スライダーを織り交ぜ、主軸を2安打に抑えた。5回、桑原に127キロのチェンジアップを捉えられ、中堅にソロ本塁打を浴びた。しかしこの1失点だけで後続へバトンをつなぎ、今季4勝目を手にした。

 プロ入り3年目。DeNA戦通算10試合目の登板(先発は8試合目)でやっと白星を手にした。この1勝でセ・リーグ5球団勝利をコンプリート。「(DeNA戦初勝利より)前半戦最後で勝てたのが大事。(地元・神奈川での勝利も)そうだけど…。この3連戦は2勝1敗でいこうと話していた。それが実現できて良かった」。今季、初めて開幕投手を務めたが、黒星発進。20歳の左腕は自身よりチームの勝利を何よりも喜んだ。

 7回先頭の代打飛雄馬に四球を許した。続く神里を三振(送りバント失敗)に打ち取ったが、すっぽ抜けが目立ち降板。「7回まで投げたかった。次は1イニングでも長く投げられるように頑張りたい」。エース候補は次へ頭を切り替えた。

 又吉、鈴木博とつなぐ新必勝パターンも確立。「球宴前にそういう形ができた。1点を守りきったのは久しぶりだ。負けて(前半戦を)終わるより良かった」と森監督も喜んだ。4位まで1ゲーム差。竜の巻き返し態勢が整ってきた。【伊東大介】