陽川よ“批判”を気にするな!! 阪神金本知憲監督(50)が陽川尚将内野手(27)に猛ゲキを飛ばした。主力の糸井が1軍復帰秒読みだが、当面は陽川の4番起用を継続する方針を明言。「いまのところはな。(右打者で)座りもいいし」と説明した。

 前半戦総括で“MVP”に推すなど、6月のブレークが高評価された。後半戦開幕カードの16日からの巨人3連戦(甲子園)も4番に座ったが、12打数1安打と振るわなかった。チャンスをつかめるか正念場に映るが指揮官の見方は違う。「打ってないけど、4打数のうち、1回はいい当たりをしてるからな。惜しい当たりをね。昨日もあったやろ、最後。アウトになっても、1打席でも、いい当たりを打ってくれていたら大丈夫や」と前向きだった。

 期待の裏返しだろう。かつて、現役時代に不動の4番だった金本監督は「そこをアイツがどう考えるかやな」と続け、プラス思考を勧める。「4打数無安打に終わったと考えるのか、アウトになったけど1本、いい当たりが出た。どっちかやと思う。悪くない、悪くないと思わないと。悪いときでも、いい当たりが1本出たんだからとプラスに考えんと」と金言を授けた。

 主砲として、敗戦の矢面に立ってきた指揮官ならではの視点がある。マスコミの論調すら恐れるな。「君たち、すぐに三振三振って書く。昨日の試合、見てみ。三振を嫌がって、全部、当てにいっていたやろ。三振だけはダメって」。結果にとらわれず、振り切れと説いた。生え抜き4番を育成すべく、鉄人流の熱いゲキだった。【酒井俊作】