逆襲にこの男の力は欠かせない。金本知憲監督(50)から後半戦の投手陣キーマンに指名された阪神藤浪晋太郎投手(24)が19日、ウエスタンリーグ・ソフトバンク戦(タマホームスタジアム筑後)に先発。4回47球を投げ2安打無失点、無四球の好内容で貫禄を見せた。後半戦の1軍初先発は26日の広島戦(甲子園)が有力。現在、絶体絶命の9ゲーム差をつけられている首位広島をたたき、フル回転に期待だ!

 ゆったりとしたフォームから、ビシッと投げ込んだ。伸びのある直球は最速154キロを計測。藤浪がストライク先行の投球で4回2安打無失点のピッチングで2軍での調整登板を締めた。4回を投げて47球で無四球と抜群の安定感を見せ、満足そうな表情でマウンドを降りた。

 「(相手は)真っすぐ1本、変化球がきたらごめんなさいというタイミングで打ちに来ていた。それを力勝負で押し込めたというのはよかったと思います」

 最高気温37度を記録した福岡の地で、冷静に投げ抜いた。4回2死で初安打を許すも、走者を出すまでは荒れ球もなく“省エネ投法”を披露した。

 「個人的に試すこともできたのでよかったかなと。修正もいろんなことも試せたので。充実した投球だったと思います」

 後半戦の逆襲へ、金本監督からは投手陣のキーマンに指名されている。制球に苦しみ2勝に終わった前半戦を振り返った指揮官は「まだまだ、彼の持っている能力は出されていない。コントロールやクイックとか、そういう課題は解消されていないと思っています」と、さらなる伸びしろを見込んでいる。さらに「本来なら、今年もローテーションの中心となって、回っていくべき人材。期待して当然」と高い期待も抱く。藤浪自身も「自分のできることをやっていければ」と期待に応えるつもりだ。 この日の投球を見守った矢野2軍監督も「ストライク先行ができていたし、上々だった。球数も少なかったし、けん制も意識的にできていた。三振はなかったけど、ファウルも取れて(打者を)しっかりと差し込んでいた」と絶賛した。

 次戦は26日広島戦(甲子園)での先発が有力だ。現在、チームの借金は今季ワーストタイの6にまで膨れあがり首位広島とのゲーム差は9まで広がっているだけに、藤浪の投球でチームを勢いづけたいところ。背番号19が逆襲への態勢を整えた。【真柴健】

 ◆藤浪の広島戦 昨季2試合登板で防御率8.31と散々だったが通算では26試合に登板し通算10勝はヤクルト戦と並び対戦別2位タイ(最多はDeNA戦12勝)。カード初登板は13年4月7日でプロ初の救援マウンドだった。初先発の同年7月7日からはカード6連勝も記録。14年4月15日には、九里からマツダスタジアムの右翼席にプロ1号本塁打も放っている。