日本ハム打線が歴史的大爆発だ。

 ロッテ16回戦(釧路)は初回に打者15人で一挙10得点の猛攻。初回としてはプロ野球史上初となる11本の安打を積み重ね、早々と試合を決めた。4番の中田翔内野手(29)は、先制打を含む自己最多タイの1試合5打点をマーク。主将がけん引した打線は今季最多の14得点を挙げ、チームは昨季8年ぶりに復活した釧路開催で、10年ぶりの勝利を挙げた。

 霧の街で、日本ハム打線が試合開始早々にスカッと晴れわたるような猛攻を仕掛けた。初回1死一、二塁。口火を切ったのは主将中田だ。「早いカウントから積極的に打ちにいけたのが良かった」。初球を捉えた4番の先制左前適時打が、記録的な攻撃の号砲。5番レアード以降も出塁が止まらず、この回2度目の打席が回った中田の2点適時二塁打で打ち止め。11安打10得点で一気に試合を決めた。

 中田は3回にも左前適時打を放って3安打猛打賞、自己最多タイの1試合5打点をマーク。「みんな塁に出てくれるので、チャンスをものにできてよかった」。前日30日には母校の大阪桐蔭が記録的猛攻で北大阪大会を制した。春夏連覇を目指す後輩たちに触発されるように快音を残した。そんな頼もしい主将に打線も乗せられた。8回にはレアードが21号ソロを放ち、今季最多となる14点目を挙げた。さらに渡辺が内野安打を記録して先発全員安打で大勝に花を飾った。

 釧路では10年ぶりの白星だ。球場改修などを経て、8年ぶりに1軍主催試合を行った昨季は黒星。中田は「こういうところのファンは僕たちの試合を生で、なかなか見られないと思う。応援はすごかったし、それに応えられて良かった」。めったに見られない1イニング2桁得点など、選手全員で魅力いっぱいの試合を届けた。

 栗山監督も釧路に詰めかけた1万2565人の観衆に感謝した。「釧路のみなさんの『来てくれて、ありがとう』という雰囲気を、ひしひしと感じた」と、見えざる力が後押しになったと振り返った。今日1日は、こちらも年に1度の帯広開催。「今日のことは、忘れた方がいい」と大勝にも気を緩めることはない。帯広でも勝利して勢いに乗り、3日から敵地で臨む西武との首位攻防3連戦へ向かう。【木下大輔】