来年1月1日付で早大野球部監督の就任が決まった小宮山悟氏(52=日刊スポーツ評論家)が6日、都内で記者会見を行った。

ロッテや米大リーグのメッツなどで活躍した小宮山氏は、えんじ色のネクタイを締め、心情を語った。

「野球部に対する恩返しの気持ちが1番大きい。正式に『監督として』という話が進む中で断る理由がない。私で良ければ、ということでお引き受けしました。身の引き締まる思いです」。4年の任期満了で退任する高橋広監督(63)の後任で、5日に野球部員に通達された。プロ野球経験者が同大の監督を務めるのは47年秋~57年の森茂雄氏(元後楽園イーグルス選手兼監督)以来2人目となる。

早大時代の監督だった石井連蔵氏(故人)からかけられた言葉が常に脳裏にあった。「早稲田への思いがさらに強くなったのは、現役を引退した時でしょうか。石井さんの元へ行ったら『早稲田に帰って来い』とと言われた。その後、プロの球団からのオファーもあったが、自分の頭の中ではプロのユニホームを着るより、早稲田の方が重たいものになった。いまだにこのオファーは信じられないし、青天のへきれきです」と吐露した。現在は野球部OB会の稲門倶楽部副会長を務める。「理想のチーム像などは、正式に就任してからお話ししたいが『早稲田に来て良かった』と思える選手を輩出したい。この秋はとにかく、野球部を全力でバックアップする」と春3位からの巻き返しに尽力する。

小宮山氏は早大4年時に主将を務め、通算20勝をマーク。89年にドラフト1位でロッテに入団した。02年にはFA権を行使し大リーグのメッツに移籍。09年に引退するまで日本での通算成績は117勝141敗4セーブ、防御率3・71。11年から14年までは早大のコーチも務めた。早大野球部は高橋監督の指揮のもと、開幕日の8日に法大と対戦する。