プロ野球のドラフト会議が明日25日、都内のホテルで行われる。プロ志望届を提出している星槎道都大・福田俊(すぐる)投手(4年=横浜創学館)が指名を心待ちにする。既に広島、巨人、日本ハム、オリックスなど10球団から調査書が届き、指名を受ければ球団を問わず入団する意向だ。昨秋の明治神宮大会でチームを準優勝に導き、一気に知名度を上げた最速148キロ左腕が、星槎道都大では6年ぶりとなる吉報を待つ。
運命の日を目前に控え、福田は爽やかな表情で心境を口にした。既に10球団から調査書が届いており、指名の可能性は高い。横浜創学館時代は3年春の神奈川県大会8強が最高成績。北海道で株を上げた21歳は「大学で4年やって、社会人に行けたらいいなという気持ちだった。今の状況が信じられない。指名されたらどこでも行く。上のレベルで勝負したい」と意気込んだ。
昨秋の明治神宮大会は、初戦の創価大戦で被安打4の11奪三振。全国デビュー戦で完封を果たすなど、決勝まで登板3試合で防御率0・98の快投を見せ、プロの注目を浴びた。「あの舞台に立てたことで人生が変わった」と振り返った。今年の正月に高校のOBで集まった際には、1学年後輩で15年ドラフトで阪神入りした望月惇志投手(21)から、プロでの生活について聞いた。「最高の環境がそろった場所だと感じた。とても刺激になった」。夢実現に向けた思いが、日増しに高ぶっていった。
今季は苦闘しながらも、本来の投球を取り戻してきた。昨年11月に左足関節のクリーニング手術を受け、冬場に2カ月間、投げ込みができなかった。春はフォームが安定せず、不調が続いたが、夏場に修正。昨秋の明治神宮大会と春のフォームを比較し、スリークオーターからの、独特なコンパクトな腕の振りが戻った。日本ハム白井康勝スカウト(49)は「秋にはしっかり調子を戻していた。興味を持っている球団は確実に多いはず」と話した。
大学最後の公式戦となった明治神宮大会北海道地区代表決定戦は、函館大と1勝1敗で並び、5日の最終戦に登板。延長11回で177球を投げ抜き12三振を奪うも、敗戦投手となった。「もう1度、神宮で投げたかったが、やりきった。野球人生はまだ終わらない。次のステージで、この思いを晴らせたら」。新たな道を思い描きながら、その瞬間を待つ。【永野高輔】
◆星槎道都大からのドラフト指名 過去、改称前の道都大時代の12年に2人。オリックス2位指名の佐藤峻一投手(現室蘭シャークス)と巨人2位指名の大累進内野手(現日本ハム)が入団している。
◆福田俊(ふくだ・すぐる)1996年(平8)12月14日、札幌市生まれ。札幌手稲山口小1年で野球を始める。4年時に父の転勤で神奈川・小田原市に転居。横浜創学館では3年春の県大会8強が最高成績で、最後の夏は16強。星槎道都大では、昨年の札幌6大学秋季リーグで優勝し、最高殊勲選手に輝いた。明治神宮大会では道勢初の準優勝にけん引した。家族は両親と兄。170センチ、75キロ。左投げ左打ち。