伝統のツーシームでローテ定着を目指す。ロッテのドラフト5位、亜大・中村稔弥投手(22)が26日、東京・日の出町の同大グラウンドで永野チーフスカウト、山森担当スカウトから指名あいさつを受けた。

今秋、東都大学リーグで4勝を挙げた先発完投型左腕。「開幕1軍でローテーションを狙っていきたい」と来春からの活躍を宣言した。

伝家の宝刀はツーシーム。ソフトバンク東浜の在学中から広島九里、DeNA山崎康と亜大エース格に代々伝わってきた“秘球”だ。横変化より「スプリットのように落ちる。それが亜大のツーシームです」。これを中村は強め、弱めと緩急自在に操る。永野チーフスカウトは「東浜のチェンジアップ気味の変化が大きなツーシームと、山崎康の空振りの取れるツーシーム。両方のいいとこ取り」と器用さをたたえる。

対戦したい人がいる。「1年生のころ、オフに自主トレに来ていた時にサインをもらいました」。同大OBのソフトバンク松田宣があこがれだ。「早く1軍の舞台で戦いたい。初球は真っすぐか、武器のツーシームを投げたい」。ドラフトから一夜明け、夢は目標に変わった。【鎌田良美】