侍の若き怪物が岡本なら、MLB選抜は20歳のソトだ。同点の6回無死一塁。岡田の150キロ外角直球に差し込まれたように見えた。だが、ここからが違う。無駄のないレベルスイングにパワーを込めると、逆方向に好角度で上がっていき、左翼席に十分な飛距離で飛び込んだ。勝ち越しの2ランで追いすがる相手を振りほどいた。「球場が最高の雰囲気なので、とても高ぶった。運良くフェンスを越えてくれた」と若さらしからぬ謙虚さを示した。

10月25日に20歳になったばかり。今季は10代でメジャーデビューし、いきなり22発をマークした。10代選手では歴代最多タイで、四球79を選ぶなどパワー一辺倒ではない。前日8日の巨人との一戦では二塁後方への飛球ながら東京ドームの天井にぶち当て、驚異の適時打でインパクトを残していた。この日も存分に怪物ぶりを発揮した。