これが広島が誇る「SAMURAI」じゃけぇ。日本の大瀬良大地投手(27)が「2018 日米野球」の第4戦に先発し、5回2安打1失点の好投を見せた。対戦を熱望していたアクーニャ、ソトから三振を奪い、ドジャース前田健太投手(30)の前で存在感を示した。9回には田中広輔内野手(29)が同点打を放ち、菊池涼介内野手(28)が勝ち越しのスクイズ。カープ戦士が、マツダスタジアムを鮮やかに彩った。

極上の勝負に、大瀬良の胸が高まった。0-0の1回2死二塁。初めて得点圏に走者を置いた場面でアクーニャを迎えた。「初戦(第1戦)のショートゴロの打球とかすごかった。対戦出来たら楽しみ」。カウント2-2からの6球目、やや内寄りの140キロ直球を低めに落とし込み、見逃し三振に。14年セ・リーグの新人王が、ナ・リーグの今季新人王を封じた。

メジャーで将来有望な選手を意味する「プロスペクト」と呼ばれるソトにも気後れしなかった。2回はカットボールで見逃し三振。4回にはフォークで空振り三振。第3戦の東京ドームで天井に打球を飛ばした猛者を、手玉に取った。

見てほしかった人がいた。反対側のベンチには広島時代の先輩前田がいた。当時、ロッカーは隣。「いろいろと学ばせてもらって今がある。テレビでは見ていたけど、ドジャースのユニホームを生で見ることは初めて。目に焼き付けたい。そして成長した姿を見せたい」。感謝の気持ちを胸にマウンドへ上がり、5回2安打1失点と好投した。

試合を作ったが、ソロホームランを許したことを反省した。「高さやコースはある程度、間違えずに投げられたと思います。ホスキンスのホームランは失投でしたが、会沢さんと話して、しっかりと組み立てられて試合を作れたと思います」。広島バッテリーで日本に勢いをもたらした。

鯉の二遊間コンビも本拠地で暴れた。1点差に詰め寄った9回には田中が中前へ同点の適時打。菊池がスクイズを一塁へ転がし、田中がヘッドスライディングで勝ち越しのホームを陥れ、マツダスタジアムを熱狂の渦に包んだ。

前日12日、前田を中心に菊池、田中、大瀬良、会沢、岡田らが食事会を開いた。田中は「普通の食事会でしたが(前田と)対戦する可能性があるかも。楽しみ」とワクワクした気持ちで試合に入った。菊池も前田との対戦に「1打席しかない。一球入魂で」と、侍らしく闘志を込めた。広島が「セ界」に誇るメンバーを中心に結束し、日米野球を大いに盛り上げた。【栗田尚樹】