日本ハム横尾俊建内野手(25)が3日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、800万円増の年俸2100万円でサインした。今季は初の開幕スタメンを勝ち取りながら、打ち続けられずにレギュラーを取り損ねた。4年目となる来季は得意の打撃で突き抜けることを宣言。最大の魅力である豪快な打撃に磨きをかけ、主力としてステップアップすることを誓った。

アップ査定にも笑顔は控えめだった。横尾はシーズン自己最多の9本塁打を放った今季について「全然納得のいかない1年」と切り捨てた。開幕戦の3月30日西武戦(札幌ドーム)では「2番二塁」でスタメン出場も4打数無安打。期待された打力を発揮できず、開幕から1カ月足らずで2軍へ降格した。この間、48打席で2本塁打、打率1割7分8厘。レギュラーをつかみ損ねたシーズンだった。

来季は打ちまくる。オフのテーマも明確だ。「本塁打はある程度打てると思う。確率よく打てるように突き詰めたい。右中間へ、150キロを超える球を逆方向に本塁打するのが理想ですね」。持ち前の長打力を突出させるため、参考にするのはパワーに勝るメジャーリーガーだ。「日本の選手は見ていない。ずっとミゲル・カブレラは見ています」。12年にメジャーで3冠王となったタイガースのカブレラの打撃映像がバイブル。オフはカブレラの打撃のメカニズムへの理解を深め、自分の打撃に取り込むことで精度を高めていく。

守備位置にこだわりはない。「自信があるのはサードですが、どこでもいい。ショートでもいい。守備固めで出るような選手じゃない。自分は打席に立てればいい」と肝も据わっている。豪快な打撃スタイルは折り紙付き。あとは本塁打の確率を上げ、定着した「おにぎり」ポーズを何度披露できるか。「打撃で突き抜けていくしか、僕の野球人生は成長しない」と自負する「おにぎり君」が、唯一無二のスタイルでレギュラーへの道を切り開く。【木下大輔】(金額は推定)