【ホノルル(米ハワイ州)12日(日本時間13日)=山本大地】親孝行も、もう1頂! ソフトバンク大竹耕太郎投手(23)がワイキキビーチの砂浜で、父の紳一郎さん(59)とキャッチボール。今季は育成入団から支配下登録され、3勝を記録。両親に初のハワイ旅行をプレゼントし、親孝行を果たした。2年目の来季は2ケタ勝利の目標をクリアし、再び家族でハワイに帰ってくる。

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まだ人もまばらな早朝のワイキキビーチに音が響いた。大竹が父・紳一郎さんと高校3年生の冬以来となるキャッチボールを楽しんだ。

「カーブ行くよ」

「えー、捕れるかな」

リラックスした親子の会話だ。中学まで野球部に所属した紳一郎さんは息子の重いボールに腰を引きながら、うれしげだった。「弱く投げてくれているんでしょうけど、オッとなりますね」と目を細めた。

最高の親孝行を果たした。「父が教員ということもあるので、なかなか家族旅行もできなかった。遠くて山口くらい。九州から出ることはあまりなかった」と大竹は振り返る。昨年の育成ドラフト4位で入団。支配下登録を勝ち取ると、3勝を挙げて日本一に貢献。ハワイ旅行のメンバーに入り、両親を招待した。

熊本県内で小学校校長を務める紳一郎さんは来年、定年を迎える。「それまでに支配下になってくれたら、と思っていましたが、早かったですね」。家族での海外旅行は初めて。「ある程度、成績を残していないと来られないんですよね」と感謝した。

紳一郎さんは今季、大竹の登板を5試合観戦。プロ初登板となった8月1日の西武戦(メットライフドーム)は見られなかったが、登板前に福岡県内で食事をした。「炎上するかもしれない」という息子を励まし、初勝利を挙げた敵地に送り出した。大学時代はケガで苦しみ、ベンチ入りできない時期も試合を見に行くなど、息子を支え続けた。

念願のキャッチボールが実現し、親子は思いを新たにした。紳一郎さんは「本人が言うように、来年はローテを守って、2ケタ勝ってほしいですね」とエールを送る。大竹もうなずいた。「来年も一緒に来られるくらいの活躍ができれば」。目標に掲げる規定投球回、2ケタ勝利を達成し、来年も家族とハワイに帰ってくる。