【ホノルル(米ハワイ州)14日(日本時間15日)=山本大地】ソフトバンク工藤公康監督(55)が19年改革の第1弾“トライアングル・スペシャル”を披露した。守護神サファテが股関節手術から復帰予定で外国人4枠を巡る争いは激化。これを受け、スアレスを救援から先発に転向させると明言した。その上で先発ローテのうち2枠を外国人にあて、バンデンハーク、ミランダと合わせた3人が出場選手登録、抹消を繰り返しながら登板し、抹消期間中に他の助っ人も起用する構想の一端を示した。チームは今日16日に優勝旅行から帰国する。

静かなところで本を読むのが、工藤監督のハワイでの日課だ。ドラッカーの「マネジメント」や松下幸之助の「指導者の条件」などチーム作りのヒントになるものばかり。この日もアロハシャツ姿でワイキキビーチを背に本に目を落とし「野球のことから離れることはできないね」と笑った。

来季の改革第1弾として、まず外国人の起用法に着手した。今春に股関節の手術を受けたサファテが順調なら復帰する。出場選手登録できる外国人は最大4人。全員が今季1軍でプレーした7人をどう使うかは「うれしい悩み」だ。そこで浮上したのが“トライアングル・スペシャル”だ。

抑えのサファテは体に問題がなければほぼ確定。野手のデスパイネかグラシアルで1枠を使い、残る2枠をフル活用するため、今季まで救援のスアレスを先発転向させるというのだ。

工藤監督 元々球種も多いし、カーブも持っているけどリリーフでは投げづらいところがあった。(手術した)肘のこともあるし、連投するよりも先発で間を開けながらの方が長くできる、という思いもある。

昨年4月に右肘の手術を受けたスアレスはリハビリを経て今年8月に復帰し、11試合に登板。その中で最速161キロ右腕に先発の可能性を見いだしていた。

先発ローテ6枠のうち外国人は2枠が濃厚で、指揮官はスアレスを加えた3人による“回し”を思い描く。調子を見ながら今季10勝のバンデンハークと途中加入で8戦6勝のミランダとともに登録、抹消を繰り返していけば、10日間の抹消期間中には中継ぎのモイネロやもう1人の野手も登録できる。

工藤監督 外国人の選手には、自分の仕事を伝えてあげた方がやりやすい。彼らも結果が全てだというのは分かっているからね。

FA補強はできなかったが、現有戦力を最大限に生かしてリーグV奪還と3年連続日本一を成し遂げる。

◆ソフトバンクの来季先発投手展望 6人で回す場合、日本人は4人になりそう。今季13勝の千賀、7勝の東浜は有力で、残る2枠の争いは激しい。左肩痛から復帰を目指す和田や、高橋礼と大竹の2年目コンビ、13勝の石川に中田、武田、ドラフト2位の三菱重工広島・杉山一樹投手(21)や同4位のJR東日本・板東湧梧投手(22)らで競う。外国人は2枠でバンデンハーク、ミランダ、スアレスの3人を出場選手登録、抹消しながら回すことになりそうだ。