東京6大学野球リーグの明大・善波達也監督(56)が、ユニホームの袖にイノシシのワッペンをつける構想を7日、明らかにした。同監督は「イノシシ年だし、来年は明治の年」と昨年末に話していた。その思いを、ビジュアルでも表現していく。

なぜ、イノシシか? 明大野球部を37年間率い、“島岡御大”とも呼ばれる島岡吉郎元監督(享年77)がイノシシを好んだことに由来する。かつてはユニホーム左袖にイノシシワッペンが縫いつけられていた。野球部の島岡寮玄関にもイノシシの置物が多く並べられている。

平成元年春に同氏が死去してからはワッペンが外れていたが「春の全国選手権は30年以上優勝していない。今年は絶好のタイミング。今しかない」(善波監督)と、1981年(昭56)以来となる春の日本一へ、温めてきた復活プランを具現化させたい意向だ。

今月14日の同大野球部OB総会で諮り、賛意を得られれば、今春リーグ戦でのお披露目へとレールが敷かれる。平成最初のリーグ戦で去ったイノシシが、平成最後のリーグ戦で戻ってくることになる。

ドラフト上位候補右腕でもある森下暢仁主将(3年)は「絶対に優勝しなくちゃいけない」と、イノシシを袖につけて懸命に腕を振る覚悟だ。この日朝6時半、島岡氏の銅像の前で「優勝するために、もっともっと目の色を変えていかないといけない」と白い息を吐きながら、仲間に熱い気持ちを伝えていた。【金子真仁】