楽天の新人合同自主トレが9日、楽天生命パークの室内練習場で始まり、ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)ら10選手(育成2人含む)が参加した。キャッチボール、ノック、マシン打撃、フィジカルトレーニングなど約4時間にわたって汗を流し、プロとしての第1歩を踏み出した。途中休養日を挟み、28日まで行われ、2月1日のキャンプイン(沖縄・久米島)に備える。

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平石洋介監督(38)以下コーチ陣、スタッフらが多数見つめる中、楽天の新人たちが新天地での第1歩を記した。冒頭のランニングでは5位佐藤智輝投手(18=山形中央)ら高卒組が元気に声を出し、ムードを盛り上げた。頼もしそうな表情で見つめていた平石監督は「ものすごく楽しみにしていました。まずはこれまでやってきたことをしっかり出すことが大事。ケガをしないでキャンプをしっかり乗り切れるようにしてほしい」と期待を寄せた。

1位の辰己は新人らしからぬ落ち着きぶりでメニューをこなし、「緊張はしなかったです。空回りしないでケガだけはしないようにやっていきたい」と自信の表情でキャンプ1軍スタートを見据えていた。8位指名の鈴木翔天(そら)投手(22=富士大)は初日から復調ぶりをアピールした。3年秋の八戸工大戦で完全試合を達成しドラフト上位候補と評価されたが、昨春に左肘を痛めたことで下位指名となった経緯がある。この日は全く不安を感じさせないキャッチボールを披露し、最速149キロ左腕の片りんを見せた。昨年11月に行われた入団前のメディカルチェックで、医師から「傷1つないきれいな状態」と診断。「その瞬間から全く痛みを感じなくなりました。気持ちの問題ですかね」と不安が一掃され晴れやかな表情を見せた。

終始、笑顔で声を出し続けた唯一の東北出身、佐藤智は「自分が一番下なんで、盛り上げていこうと思った。元気にはつらつとしたプレーを見せたい」と臆することなくアピールした。合流前には母校で先輩の日本ハム石川直也(22)らと自主トレを行い「自分でつかみにいくかどうか。勝負が掛かっているんで、1日1日がギャンブルみたいなものだ」とプロの心構えを教えられ、早くも実践してみせた。楽天の未来を担う10人が、順調なスタートを切った。【野上伸悟】